GENOCIDAL ORGAN…

4th Sep 2017 by

もう本格的に秋冬シーズン到来ですね。
アウター選びも楽しみですが、デザインだけでなく防寒性も考慮しないとですね。

ところで日々科学の進歩は進んできておりますが、ことファッションでは温故知新の精神が尊重され、時代を先にいったり戻ったりの繰り返し。
しかし、最近ではファッションも進化しているんですね。

MINOTAUR I/O Collection
スマートフォンに対応したアプリケーションからヒーター装置を起動させると、30秒から60秒の間にアウター内が暖かさに包まれる。外気に合わせて4段階に温度コントロールができ、胸部に取り付けられたシグナルの色が温度の高い順に、RED→ORANGE→GREEN→BLUEへと変化する。内蔵ヒーターから表生地までストレッチ性の高い防水素材を使用し、動きへのストレスをなくして快適な着心地を実現させている。

これなら冬の寒い朝でもベッドから出てすぐにアウターを温めておけてば快適な朝通勤が可能。
重苦しいヘビーアウターや動きづらい重ね着も必要なし。
結構高額ではあるが、まさに未来を感じさせるファッションの新しい形の誕生ではないでしょうか。

服屋らしくのっけはファッションの話から入ってみたが、本題は未来を描いたSF小説。
たまには自分の趣味を書こうと思ったのとPUGGが小説Blogを書いていたので触発されてしまった。

あまり小説について書くことはないので、初回で全て出し切るつもりで人生の中で一番食らった一冊をご紹介。

なんせ、僕はかれこれ5回くらいは読み返している。

虐殺器官 著 伊藤計劃

あらすじ
サラエボで発生した核爆弾テロによって世界中で戦争・テロが激化した結果、アメリカを始めとする先進諸国は厳格な個人情報管理体制を構築しテロの脅威に対抗していた。十数年後、先進諸国からテロの脅威が除かれた一方、後進国では内戦と民族対立により虐殺が横行するようになっていた。事態を重く見たアメリカは新たに情報軍を創設し、各国の情報収集と戦争犯罪人の暗殺を行うようになった。

ざっくりいえば9.11以降のテロとの戦いで転機を迎えた世界を書いたSF小説である。
世界各地で起こる虐殺を引き起こす元言語学者“ジョン・ポール”。
彼の語る虐殺の文法とは?
そして、なぜ虐殺を引き起こすのか?
哲学や文学、生物学、言語学、歴史や社会といった観点からその謎を探るミステリーでもある。

物語の語り手である主人公は暗殺も行う米軍大尉で、役柄にそぐわないナイーブな語りで淡々と物語を進めていく。
テロや紛争を背景にグロテスクな人体損壊をはじめ沢山の死が蔓延している本作にあって、このミスマッチな主人公の思考には、ある種シュールさすら感じるが、同時に惹き込まれる。
近未来を舞台にしていることから、軍事/民間レベルでも想像に難しくない(難しいものもあるが。)様々な未来的ガジェットのアイディアも面白い。
序盤はサクサクと読めるが、中盤以降から人類史を遡ったり「言語」に関するウンチクが非常に難解。
何気に終盤の部分に大きく関わってくる部分なので、なんとか読み進めてもらえれば最後のオチに衝撃を食らう事かと思います。

ちょうど本作は劇場アニメ化もされ、もしかしたら実写映画化も噂されている。
「ベストSF2007」国内篇第1位。「ゼロ年代SFベスト」国内篇第1位。は伊達じゃない。
読むのが面倒ならとりあえず10月に劇場アニメ版DVDが販売開始でレンタルもすると思うのでチェックしてみてください。

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