VISITED – 廣仙園 – 滋賀 by NDEMN

11th Nov 2017 by

滋賀の琵琶湖のそばに位置する廣仙園さん。

種から育てる「実生」を行っています。

 

全国に数えるほどしかサボテン園さんはありませんが、その中でもこの実生をされている園は少なく、日本のカクタスシーンを支えている貴重な場所の一つです。

その中でも廣仙園の園主の中川さんは珍しい種の実生もされていて、特に南米エリアのものに強く、探すのが難しいマイナーな種もココなら見つかるかもしれません。

加えて、初心者の質問にも丁寧に答えていただけます。

 

一般的にサボテンを育てるのはわりとほったらかしで簡単だというイメージがありますが実際はなかなか難しく(本音を言えば相当難しい)、言葉で説明するのはある程度の経験が質問者に最低限必要なんですが、そんな中でも可能な限り答えていただけるというのはとてもありがたい事です。

 

ここで書いてもあまり響かない事だと思いますが、この実生というのは時間がかかるもので、販売できるサイズまで育つのは最低3~5年かかりますが、促成栽培技術の接ぎ木というものは同サイズまで半年~1年。さらに同個体のクローンを増やすカキ仔というのがあります。

ですがカキ仔や接ぎ降ろしと呼ばれる促成栽培や栄養繁殖されたものは、肌の色が冴えなかったり病害虫に弱かったりといった個体の弱さがある為、やはり実生のものが個体としてはベスト。

この辺のクローンとオリジナルの対比の描写は映画やアニメーションや小説でもありますが(大抵クローンは定期的なメンテナンスや体組織のリフレッシュが必要で、それを怠ると病気や機能不全を起こすか、死ぬか)、まさにその通りで「オリジナル」であるという事に「価値」があります。

 

商売的に考えれば「より安全に、より早く、より多く」の方が圧倒的に効率も利益もいいのですが、様々な観点や思想やスタイルから、それとは相反し技術と時間と忍耐が必要な「実生」をメインとされています。

 

また「作り」の方法として簡単にですが、温室内の湿度と温度を高くし、通風を控え遮光を強めにし、水を多く与えるやり方を「蒸し作り」といい、早く瑞々しく大きくなります。

その反対にメリハリを持ちつつ水をやり、光線を強く、風によく当てるやり方は、成長は遅めになるもののよく締まった丈夫な個体となる「堅作り」といいます。

 

カクタスは環境によって姿形や性質が変わるほど敏感な植物なので、蒸し作りのものだと購入後温室やフレーム等の囲いや技術がないと環境に慣れるまで管理が難しかったりしますが、堅作りのものはベランダ栽培等でもハードルが低く、廣仙園さんは「実生の堅作り」が主なので、そういった点もとてもオススメです。

 

 

複数棟ある温室は、カクタスはもちろん、コーデックス・アガベ・アロエ・ハオルチア他様々な種類の植物があり、なかなか帰れませんw

その一部をぜひ見てみてください。

 

 

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年間降雨量0mmという記録も持ち、NASAが惑星探査のシミュレーションを行うほど世界で最も乾燥している場所、チリのアタカマ砂漠に自生するコピアポア属。

その現地からの輸入球が数多く鎮座するのも廣仙園ならではの風景。ワシントン条約に抵触する為、貴重なものです。

個人的には最もそのものが生えている風景を彷彿させるカクタスだと思います。

 

 

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Aztekium hintonii

好きなカクタスの一つですが、絶滅危惧種です。

 

 

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Geohintonia mexicana

これも好きなもの。一属一種の独立した種で生態学的に貴重なもの。

特にここ廣仙園の実生のもの、中川さんの手によるものがタイプも作りも個人的には最高です。

 

 

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花が咲いて受粉して結実、種子が綿毛の中からせり上がってきて落ちようとしています。

自然界だとこれが地面に落ちたり風に流されて、降り立った場所で果実部分がなくなり中の種が落ち、うまくいくと雨が降り発芽するんです。

その中から一体どれだけが開花年齢まで生き残れるかのか。

 

 

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着いた時は歓迎してくれるんですが、割と早い段階で毎回飽きられる看板犬の二匹w

 

 

 

神奈川からだと滋賀はちょっと遠く感じて、気にはなっていたもののなかなか足を運べずにいたんですが、一度行けば何度も足を運びたくなる…そんな場所です。

お近くの方もそうじゃない方も、興味があればぜひ一度遊びに行ってみてください。

 

 

廣仙園

kohsen-en.sakura.ne.jp

 

 

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