ARCHIVE : 2020/7

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2020 #15 〜SAMPLES JUNKIE HOUSE POP UP〜

31st Jul 2020 by

先日HOTEL Lafayetteで行われたSAMPLESのPOP UPの様子が公開されました。

今回はスニーカー等に没頭してしまっている”JUNKIE”にスポットを当てたパックという事で、

いつもは客室仕様のHOTEL Lafayetteが病院仕様に。

今回は並びや会場内での混雑を回避するために完全事前抽選制で行われたこちらのPOP UP。

25日にはPOP UPに伴い、LIVE配信をメインとした朝岡周&The Jack BandのLIVEも行われました。

 

期間中お越し頂いた皆様、改めてご来場ありがとう御座いました。

 

今回のパック、一番の目玉は何といってもコチラのアクリルボックス。

来場されたほとんどの方が特に足を止めて、時間を掛けて眺めていかれたSAMPLESの自信作。

こちらの「JUNKIE HOUSE PACK」は8月の中旬よりLafayette Online Storeでも受注予定です。

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POWERFUL MESSAGE

31st Jul 2020 by

                                                                                                            ・

どうも、A-KILLAです。

ワタクシが待ち望んでいたニュースが飛び込んでまいりました!!

『NBA再開』

今年3月からコロナのせいで中断していたNBAが7/30から再スタート!!

いやーー、非常に喜ばしい

特にBLM運動も重なり世の中の情勢が決して良くない中で環境整備を徹底して配慮して

言ってしまえばすごくめんどくさいことにもきちんと向き合って着手して再開に漕ぎつけた関係者に敬礼

ちなみに会場はどんな感じかというと

しっかりソーシャルディスタンス対策もして

国歌斉唱時には人種差別根絶を願い

ESPNのCMでも選手達がフックアップされたものが流れてました

国技が全体としてここまでやることがホントに素晴らしいと思います

スポーツ選手がプライベートの時間も惜しんで正義のために立ち上がり国民の心を揺さぶる

スターかどうかではなくて個々の心が大事なんだということですね

そしてNIKEからはこんな太いメッセージが

誰も俺たちは止められない

エンターティメントを決して絶やしてはいけない

そんな想いが込められたNIKEの粋な動画です

スポーツを始め、音楽も演芸も

コロナの影響でエンターティメント業界は苦境に立たされています

今までの当たり前が当たり前でなくなり新たなパフォーマンスを求められています

そして、人と違うことや発言がより批判の対象になりやすくなってしまっているのも現状です

日本だって差別はあるし、下手したら海外よりも悪質なときも(根強い島国vibes)

こんな時だからこそ、人としての本質やあるべき姿を考えて助け合っていきたいですね

協力する、応援する、行動する、発言する

ウイルスがきっかけで人間の心がネガティブに汚染されないように

さ、今年もNBAの段違いプレーでテンション上げていこうと思います

『ポジティブは最大の防御』

ALL LIVES MATTER

YOU CAN’T STOP US

WE GOT US

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第十一話「ニューヨークVS川村の皮肉」

29th Jul 2020 by

 

 

毎週水曜日。

 

今週は何を書くかスタジオの天井をボーッと見ながら考える。

 

当時の日記や記憶を辿っていると、

今では赤面してしまう様な行動もある反面、

今にはない当時の勢いだったり盲目なチャレンジ精神には、

昔の自分に喝を入れられる事も少なくない。

 

回転チェアーの上でクルクル回っていると、

記憶と伝えたい事が円の中のどこで出会うのか、

気が付けば自然とキーボードを叩いてきた。

 

今も天井は回っている。

 

4月から書き始めた週1のブログも今回で11回目。

友人の一言をきっかけに4年ぶりに書き始めたこのブログは、

私にとっても改めて自らの軌跡を振り返るいい機会にすらなっている。

 

NBT君ありがとう。

 

全24回。もう少しで折り返し。

プロローグでも書いた通り、これは若者達に向けた暇つぶしツール。

このブログを読んで誰かの次のアクションに繋がってくれたら本望です。

 

折り返し地点一つ手前の今回。

旅の話ではなく、旅に行く”前”の話を今回だけは書いてみたいと思います。

私が旅や移住生活の中で最も苦しい時や落ちていた時に、

常に頭にあった一つの言葉について。

 

ぶん殴りたいほどムカついたけど、その言葉あったから踏ん張れた。

 

 

ニューヨークへの移住を決めたのは大学2年の夏休み前。

当時20歳だった私はほとんど学校にも行かず、

1年間で4単位しか取得していないクソ野郎だった。

ただ、この頃勢いだけはものすごい。

大学2年の夏休み前のテスト前に、

喫煙所でタバコを吸っている時に急に思い立ち、

その日に学生課に行き大学を辞めた。

 

そしてその夜、両親に電話で大学を辞めた事を伝えた。

母親はブチギレ。一方父親はすごく冷静だった。

 

「そうか。それでお前辞めて何するんだ?」

 

「ニューヨークに行く。留学したいから辞めた。」

 

「いつから?」

 

「9月。それまでに金貯める。」

 

「そうか。まあ好きにしろ。でもかーさんには謝れよ。泣いてるぞ。」

 

その後、母親には泣きながらブチギレられた。

母親が泣いているのはどんな時でも好きじゃない。

申し訳なさと正直な気持ちが混ざり合い返す言葉が出てこなかった。

 

それから私は色んな仕事をして3ヶ月で金を貯めた。

大体200万くらい。

短期間で小僧が金を稼ぐには色々やらないといけない。

なのでこれ以上は書きません。

 

とりあえず金は用意できた。

次はビザの申請。

学生ビザの申請は思っていたよりも面倒くさかった。

最終的には赤坂のアメリカ大使館で最終面接を受けて、

その後郵送でビザ付きのパスポートが送られてくるが、

その前に揃える書類がめちゃくちゃある。

バンクアカウントの残高証明や戸籍、最終学歴の証明書…etc

提出する書類の重ねる順番が違っていてもダメで、

面接の日程も申請から1ヶ月後くらい。

後から聞いた話では大体皆エージェントや弁護士を通して申請するらしい。

そんなエージェントがいる事すら知らず、手探りで全て自分で準備を進めた。

 

ビザの申請に必要だった最終学歴の成績証明書をもらいに、

卒業した高校に学歴証明を取りに行った時のこと。

まだ卒業して2年ほどしか経っていなかったが懐かしい感じがした。

職員室に行き、担当の先生に書類をもらいに行った。

その時、当時の担任だった川村が私に話しかけてきた。

 

「珍しい奴がいるな。何だ?お前何しに来たんだ?」

 

私は正直川村からかなり嫌われていた。

当時はもはや話もかけられない感じ。

学校に行かなくてもほっとかれていたし、

ホームルームでもほぼ空気みたいな感じで扱われていた。

実際自分自身もそれを望んでいたところはあった。

しかも奴は私の家の一本裏の道沿いに住んでいて、

休日もたまに見かけるぐらい。

私も川村が大嫌いだった。

 

「9月からアメリカに行くんで成績証明書もらいに来ました。」

 

「なんだ?お前大学辞めたのか?」

 

「はい、辞めました。」

 

「お前はやっぱりどうしようもない奴だな。次はアメリカに逃げんるのか?お前なんてアメリカに行ってもどうせ何も身にならずにすぐ帰ってくるんだろ。」

 

 

殴ってやりたいほど頭にきたが、

シカトして担当の先生に証明書を貰いさっさと高校を後にした。

図星だったのか、ただムカついたのか。

自分の無力さにも気がつき始め、

どれだけ怠け者なのかは自分が一番知っていた。

多分相当悔しかったのだろう。

それからこの言葉はいつまでも頭の中でループし続け、

13年たった今でもはっきりと残っている。

 

それから無事にビザを取り、私はニューヨークに移住した。

当初1年の予定で行ったはずが結局4年滞在。

この4年間の中で何度もニューヨークという街に食われそうになった。

そしてその度にあの川村の言葉がでかい顔でニヤニヤ出てきた。

 

「お前はやっぱりどうしようもない奴だな。次はアメリカに逃げんるのか?お前なんてアメリカに行ってもどうせ何も身にならずにすぐ帰ってくるんだろ。」

 

今聞いても鼻につくこの言葉は、

壁の前で体育座りしている私をいつも笑った。

そしてその顔を見る度怒りがこみ上げてくる。

 

あいつにいつか認めさせてやりたい。

あいつに笑われるぐらいならまだ踏ん張る。

あいつには絶対負けたくない。

 

正直その気持ちのおかげで何度も壁を超えられたと思う。

人を励まし元気付けるような人道的な言葉ではなく、

私の場合は元担任から言われた皮肉がいつも逆境への着火剤だった。

怒る気持ちはきっと使い方一つだ。

怒りのパワーはうまく使えばいつもの何倍もの力になる。

受け取った怒りは投げ返すんじゃなくて、

消化して壁を壊す力に使うまわすべきだ。

それはもしかしたら”頑張って”とか”応援している”みたいな言葉よりも、

本当に辛い時は役に立つかもしれないと今は思う。

ただムカついてるど真ん中ではそんな冷静になれない。

その時は一回寝る。これに限る。

判断は起きてからしたほうが比較的物事は上手くいく。

 

ニューヨークVS川村の皮肉。

負けなしの川村。

 

ニューヨークでの生活でも、

それから出た旅の中でも、

川村の皮肉は無敗だった。

今このブログを書いていても、

何度奴の言葉で奮起できたかわからないくらい、

辛かった時の記憶が蘇る。

 

あれから13年たった今、

川村に会ったら言ってやりたい。

 

「先生のおかげで一度も逃げませんでした。」

 

毎朝スタジオに向かういつもの道。

車で通る川村の家。

いつも心の中で中指を立てている。

 

 

今に見てろ。

 

 

-完-

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THE WORLWIDE LAFAYETTECREW #11

28th Jul 2020 by

今現在に至るまでに様々な人や文化と混じり合い進化し続ける

そしてその中でも限られたトップクラスのアーティスト達にも繋がる絆をご紹介する

『THE WORLWIDE LAFAYETTECREW』

WIZ KHALIFA

HIP HOPアーティストでありながらその人気はジャンルに囚われず世界的な認知度を誇り

音楽のアカデミー賞とも言われるグラミー賞にも何度もノミネートされその実力は折り紙付き

高校時代は横須賀にも住んでいたことがあり自分も何度か友人を通じてリンクした経験がある

スヌープ・ドッグを始め多くのベテラン達にその実力を認められ映画出演も果たしている

Lafayetteの存在はNY支店や共通の友人を通して以前から知っていたらしく本人からのラブコールにより

着用してくれるようになった。

去年リリースしたMVでもパーカーをご着用

そしてその他のモデルも普段から着てくれている

どれだけ有名になっても愛を感じる彼の人となりを感じることのできる部分であり

改めてモノづくりへの気持ちを再確認させられた

WIZの新曲はコチラから

A-KILLA

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師匠がきっかけ

27th Jul 2020 by

どうも、A-KILLAです。

今日は珍しくスニーカーのお話。

スニーカーも服も先入観が根深いと気になってはいてもなかなか手が出せない

そんな経験一度はあるんじゃないでしょうか?

僕にも長年に渡り悩み続けてきたブランドがありました

そう、『NEW BALANCE』

知らない人はいないほどの世界的シューズメーカーにして今売れてるスニーカーブランドの中で最も歴史が長い

なんてったって創業114年

ジャンル関係なく愛され続けるトップメーカー

、、、、、なんですが

僕ももちろん物心ついたころからNマークは目に焼き付いていたし色んな人が履いてる

親戚や友達もかなりの高確率で履いていたから自然と欲しいとは思っていました

 

だがしかし

そこに立ちはだかる壁が、、、、

人気モデルは『高い』種類が『多い』デザインが絶妙に『古臭い』

とまぁ、個人的主観で手を出せずに20年ほどが経過

そして今年、思わぬ転機がやってくるのです

ん??なんだこれは??

NIKEの復刻してるランシューぽいけどNB感は抜けてない

でもなんかロゴがデカくて変ww

でも上から見た凸凹感がなんかいい

しかも安い

という感じで発表の時点から気になってはいたんですがこれがビックリ

全然買えない、売り切れ続出

でもそんなにプレ値がついている感じでもない、、、

そこから数か月、、、、

あれ???

あれれれれれれ????

そう、僕の敬愛するJERRYさんがご着用でした

JERRYさんと言えば色々履いてはいるけれど最近は特にNIKEのイメージが強かっただけにビックリ

単純な僕はこれで火が付き探しまくってやっとの思いで購入

この靴って復刻というか昔の名作を三つ合体させた再構築モデルなんですって

さてこれでNEW BALANCEが増えるのかな??www

こちらもオシャレで大人な名作

PEACE

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Black Soprano Family ‘It’s Over’ Ft. Heem, Rick Hyde, Benny The Butcher & DJ Drama [Official Video]

26th Jul 2020 by

BLACK SOPRANO FAMILY: Black Soprano Family ‘It’s Over’ Ft. Heem, Rick Hyde, Benny The Butcher & DJ Drama [Official Video] Produced by Don Cannon

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ダンサーインタビュー①

25th Jul 2020 by

お久しぶりです。RYUです。

 

最近自分が担当している水曜のインスタライブにて少し面白いことをしておりましてですね

 

簡単に言うと

 

ゲストを招いてあんなことやこんなことをいろいろインタビューしちゃうぜっていう感じです。

 

今回フォーカスをあてたゲストが ” ダンサー ”

僕もダンサーとして活動しているのでなかなか距離感の近い人たちです。

 

既にインタビューした3人を軽くご紹介しますね。

 

$HOR1

ダンサーとしての活動はもちろんのこと、最近はアーティストとしてもソロで活躍中。

歌って踊れるイケメソボーイ。

アー写でもPRIVILEGE着てくれてますね。あざす。

 

つい先日1st シングルのMVも公開。要チェック✔

 

 

 

TATSUKI

東京のアンダーグラウンドを中心に活躍中のHIPHOP ダンサー。

数々のコンテスト、バトルで結果を出し続けている、勢いのある若手の一人。

冗談抜きで最近彼はLafayetteしかきていないかも(笑)

最高ですね。

(画面左の青のフーディーがTATSUKI君です)

 

 

 

FatSnake

彼も同じく東京のアンダーグラウンドでかましてる若手の一人。

POPPINというジャンルの中の ” Animation “というダンス。

ダンスをやっていなくてもすごさが伝わりやすいんじゃないでしょうか。。

彼は僕と知り合う前からLafayetteでお買い物していたらしく、働き始めてからはPRIVILEGEによく遊びに来てくれます。

 

(キャップがFatSnakeくん)

 

 

まだまだヤングな3人の今後の活躍に期待!!

そんな彼らのインタビューはYoutube、IG LIVEにアーカイブ残してあるので気になった方は見てみて下さい!

$HOR1 インタビュー

TATUKI&Fat Snake インタビュー

 

 

それではこのへんで。

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LFYT Autumn/Winter 2020 Collection preview

25th Jul 2020 by

LFYT 2020 Autumn/Winter Collection preview

coming soon…

ラファイエット2020年秋冬のラインナップを

オフィシャルサイトのコレクションページ

にて先行公開

皆様是非

デリバリーは8月上旬を予定

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藤沢市・(株)LAWSON・(有)ラファイエット 協定締結

23rd Jul 2020 by

 

緊急事態宣言が発令され、街に活気がなくなった5月頭ころ。

これまで町おこしの件で幾度となく相談にのってくれた、市議会議員の方からの着信。

きっかけはこの一本の電話からだった。

 

7月1日からレジ袋が有料化。

プラスチックごみ削減に関する、藤沢市から依頼されたシティプロモーション。

アパレル業界が「SDGs」に対してどう取り組みできるかの問いでもあった。

 

世界全体でどの業界でも注目され、アパレル業界にも大きくかかわってくるSDGs。

SDGsというコトバに馴染みがない人達に少し説明すると↓

 

 

SDGs(エスディージーズ:Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)

世界全体で挙がっている課題を解決し、社会や地球環境を変えるために国連が掲げた17の具体的目標。

2015年の国連サミットで採択された、2030年までに達成すべき目標。

 

2025年に開催される大阪万博でも開催目的として、SDGsを大きく掲げている。

SDGsは地球のあらゆる環境問題に関わってくる。

サスティナブルな未来への貢献。

 

エコバッグの企画・デザイン・生産・販売を総合的にLafayetteがプロデュースする事になった。

プロジェクトが決まってからはフルスロットルで駆け抜けて現在に至る。

 

 

コラボのお相手は「藤沢市」と「ローソン」。

「行政」と「大手コンビニ」に地元のストリートブランドが融合。

今回オフィシャルで藤沢市の市章の使用許可もおりた。

アパレル業界には何年もいるので、想像を超えたコラボや化学反応は何度もみてきた。

その中でも今回の構図は特殊だと思う。

 

藤沢市・(株)LAWSON・(有)ラファイエットとの間で、

プラスチックごみ削減・シティプロモーションに関する協定締結。

プラスチックごみ削減に特化した協定は全国初。

 

協定締結。

記者会見。

 

普通の人生で絶対に経験しないような事。

 

 

周りや関係者の反応はかつてないほど大きい。

藤沢にお店を構えた17年前には想像もしてなかった事が現実になった。

 

こうした取り組みを藤沢市とLAWSONと肩を並べて出来ることは長く続けてきた会社としても大きい。

また今回のコラボアイテムの売り上げの一部は藤沢市環境基金に寄付される。

 

これからはストリートブランドとして、

更には国際社会の一員として、

積極的にSDGsを支援していくことになるだろう。

 

 

A-TOY

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第十話「STAY SEXY by ホーランド」

22nd Jul 2020 by

 

 

先週のルックブックの撮影は無事終了。

スタッフさんやモデルの皆には感謝です。

来月頭にはアウトするみたいなので、皆様是非。

撮影の時にAKILLA君からブログが長いと指摘をもらったので、

今回は短く書いてみたいと思います。

助かりますw

 

先週の撮影で10代や20代前半のモデルの子達を撮って、

帰りの高速の車内、何かノスタルジックな気持ちになり、

数年前あるモデルからもらったこの言葉を思い出した。

 

「STAY SEXY」

 

これが今回のキーワード。

なるべく短く書きますw

 

 

カメラマン。

フォトグラファー。

写真家。

 

三つともカメラで飯を食う職業に変わりは無く、

言葉でカテゴライズされた同じようで全く違うこの三つの肩書きに、

数年前、自分の中に大きな葛藤が生まれ始めた。

 

ただ”好き”が先行して始めたカメラ。

撮りたいものを撮りたいように撮る。

何でも始めた頃は発見の連続で私がカメラを始めた頃も同様、

カラーフィルム、白黒フィルム、リバーサルフィルム…

色んなフィルムを使い暗室で徐々に浮き上がってくる画に興奮の連続だった。

自分が何者なのか?

とかそんな大それたトピックなど考える事もない。

むしろ肩書なんてファックだった。

 

それからそんな真っ直ぐな気持ちは変わっていった。

すごくシンプルで今では正解に見えるほどの初心の無心な情熱は、

時間とステージが比例して進むと共に、

責任や金、抑えても湧き上がる名声欲によって冷めていった。

 

クライアントは何を求めているのか。

皆どんな画が好みだろう。

何を撮ったら皆驚くだろう。

 

指紋がべたべたのくもったレンズのように、

ピカピカの初心は汚れていき、

撮りたい被写体を見つめてきた自分の目は、

いつの間にか他人の目を見るようになっていった。

 

ストリート写真も風景写真もポートレートも、

コンテンポラリーな抽象的な画や構図も、

セクシーな女性の写真や、著名人の撮影も、

とにかく何でも撮った。

全て意味があったし学ぶ事も多かったが、

色んな撮影に挑戦しても自分が何者なのかはいつまでもわからないまま。

相手からは次のレベルを求められるから進まないといけない。

そんな空中で背伸びを繰り返す日々はそれから数年続いた。

 

だが変化のタイミングは不意にやってきた。

それまでいつまでも吹っ切れなかったモヤモヤが一瞬で吹っ切れた瞬間。

 

ある何でもないいつもの撮影現場。

ブルックリンのハウススタジオでアパレルのカタログ撮影をしていた時の事。

モデルはアメリカで初めてポートレートを撮らせてもらったホーランド。

もう5、6年前に学生時代の友達に紹介された背の高い白人の女の子。

その日も何の問題もなくいつも通り撮影は進み、無事に撮影は終わった。

帰り際ホーランドと世間話をしていたら彼女は唐突に確信をついてきた。

 

「KIKI最近自分の作品撮ってないでしょ?」

 

「うん。最近はクライアントの仕事が多くて自分の作品撮れてない。」

 

「だと思った。初めてポートレート撮った時の方が写真家って感じしたもん。今の方が仕上がりは綺麗だし、いろいろ考えられてると思うけど。」

 

「実はなんか最近ずっとわかんないんだよね。別に今に不満があるわけじゃないんだけど、なんかモヤモヤしてる。クライアントに合わせてるからかな。」

 

「私は色んな写真家に撮られてきたけど、別に綺麗に撮るのが写真家じゃないと思うし、上手ければ上手いほどつまんないっていうか。色とかスタイルがあるって言い方変えればセクシーじゃない?男も女も関係ないと思う。アーティストはセクシーじゃないとダメ。あなたはアーティストなんだから。相手になんて合わせなくていいじゃん。自己中で真っ直ぐな方が型にはまったハンサムよりよっぽどセクシーよ。作品には全部出るから。」

 

この時自分の目線が人の目から被写体に戻った瞬間だった。

フィールドが変わるにつれてカメレオンの様にその色に染まってきたこの数年。

モヤモヤの正体はブレブレの芯だった。

別にどの現場でも自分でいれば良くて染まる必要はなかった。

相手が気にいる作品は染まったら撮れるかもしれないが、

相手の度肝を抜く作品はブレない芯からしか生まれない気がする。

 

これは自分しか撮れない。

今でも決めのメインカットではこれを常に心がけている。

 

「KIKI! STAY SEXY!」

 

ホーランドは最後にそう言い残し、迎えにきた彼氏の高級車に乗り込み帰って行った。

 

笑えた。

 

ホーランドの彼は型にどっぷりハマった典型的なハンサムだった。

 

 

まあ世の中そんなもんだ。

 

 

-完-

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