ARCHIVE : 2020/8

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HISTORY OF Lafayettecrew 2016~2020

30th Aug 2020 by

「Lafayettecrew」

前回までのおさらいはこちらで。

 

 

2016年、ブランドや企業とのコラボレーションが過去に類がないほど一番多かった年。

まずはMLBのヤンキース、メッツとのコラボレーションを発表。

至極のトリプルネームとなった天下のヤンキースとNEWERAのコラボは大きな反響を呼んだ。

世界中で愛されて続けているNEWYORKを拠点にする2チームとコラボ出来たのはかなりアツかった。

 

そしてセサミストリートやコカコーラやワンピースやDC Shoesとのコラボレーションもこの年。

個人的にも熱望が実現したセサミコラボはエルモ/クッキーモンスター/オスカーのセレクトで大反響だった。

NEW JERSEYの老舗スニーカーショップ「Packer Shoes」とのコラボも。

NEW BALANCE(ニューバランス)のMT580モデルが生誕20周年を迎え、それを記念してのコラボ企画。

和高醸造と共同でソースを作ったのもこの年だった。

「NEW YORK」をテーマに掲げ、出来上がったソースが【HOT CHILLI SAUCE】

 

地元藤沢の高校「藤沢翔陵高等学校」の夏季制服としてコラボのポロシャツを制作。

Lafayetteとしても初の試みとなる「学校」とのオフィシャルコラボが実現した。

更には同高校にて、”SCHOOL JACK” in 翔陵祭と題し文化祭をプロデュース。

「SCHOOL JACK」=「学校を乗っ取る」

記憶にも記録にも残る日本でも一番クレイジーな高校の学園祭になった。

 

 

 

2017年の4月22日、海外一号店の旗艦店が誕生。

ブランドのルーツであるNew Yorkにヘッドショップとなる「PRIVILEGE NEWYORK」 をオープン。

設立当初からの一つの夢だった「New Yorkにお店を構える」というミッションを設立から15年目の年で実現。

NY出店は自分達の一つの目標であり、また一つの通過点だった。

念願の海外初出店は憧れの街NEWYORKのLower Esat Sideに位置する路面店。

海外に拠点が出来たことにより、また新たな発見や未知なる可能性が出てきた。

あのNEWYORKの街にLafayettecrewとそのマインドが広がっていった。

 

NY店をオープンしてから、ローカルショップの存在の意義を改めて再確認。

藤沢から横浜。

横浜から東京。

東京から日本全国。

そして日本から世界へ。

ローカルに根付いたショップを目指していくのは変わらない。

藤沢から始まり、日本全国へ展開、そして今では全世界へ向けて展開していったLafayette。

NewYorkにお店を構えている会社のHead Quarterが「Lafayette FUJISAWA HQ」。

Lafayette FUJISAWAが本店であり、すべての始まり。

自分達の地元である「藤沢」のスーベニアアイテム「FUJISAWA CITY」アイテムを販売開始。

それと同時に地域活性化の為に「FUJISAWA CITY LOVE プロジェクト」を始動。

 

この年にはクラシックタイプの名作スニーカー「OVERPASS 93」をモデルにFILA USAとのコラボ。

両ブランドのエッセンスが混じり合うことでこれまでにないスニーカーをリリース。

 

この年にはPOP UP STOREをファッションの聖地「ラフォーレ原宿」にて開催。

期間中はインクジェットプリンターを店内に常設し、その場でプリントが出来るサービスなど初の試みも。

その勢いを保ったまま、6月には名古屋パルコ、年末には代官山T-SITEにてPOP UPを開催。

その土地や施設に合わせたPOP UP STOREを企画して新しいブランドの見せ方が出来た。

 

 

 

2018年、Lafayetteのお店を始めてから15周年。

NYに続いて海外2店舗目、香港に「PRIVILEGE HONG KONG」をオープン。

今まで積み上げてきたアジア圏のコネクションが更に大きくなる。

アジアにもLafayettecrewが幅広く知られることになるキッカケになった。


 

以前より、頭の中にあったダンサーとの企画が形になったのもこの年。

TAKESABUROとYASSを起用したプロモーションビデオ「KEEP IT REAL」は大きな反響を呼んだ。

 

#goodygoodyparty を葉山の聖地「海の家OASIS」でスピンオフ開催。

最高のロケーションでのGOOD VIBES PARTY。

OASIS史上でも数少ない伝説となった夜。

「PUSH RAP SING」とのコラボ企画で豪華アーティスト陣が続々出演し大盛況で幕を閉じた。

 

 

 

2019年、横浜の新たな拠点として体験型コンセプトショップ「HOTEL Lafayette」をオープン。

NEWYORKの老舗ホテルを彷彿とさせるカフェ・バーやPOP UP/ギャラリースペースを併設した3F建てのビル。

今までにない新しいライフスタイルを提案するショップとして確立していくことになる。

 

「PRIVILEGE NEWYORK」が規模を拡大して、ESSEX STREETに移転リニューアルオープン。

新たな場所での2度目の挑戦。

 

群馬に「PRIVILEGE TAKASAKI」をオープン。

信頼できるLafayettecrewが高崎にも増えていった。

 

念願だった第二の故郷「YOKOHAMA」のプロ野球チーム「横浜DeNA BAYSTARS」とのコラボが実現。

異業種でありながら共通のローカルである”横浜”を思う気持ちで一つに繋がった。

ファッションブランド×スポーツチームの公式コラボ。

 

グラフィティーアーティストESOWとタイのDABOYWAYがプロデュースする

NEVERSAYCUTZとカプセルコレクションを発表。

 

 

 

2020年、最初のコラボは「Lafayette x CLUB SAKENOMITAI」とのカプセルコレクション。

 

SAMPLESをディレクションする、横浜を拠点に活動するサックスプレイヤー朝岡周ともコラボを発表。

HOTEL Lafayetteで開催されたSAMPLESのポップアップストアも大盛況であった。

 

2003年にスタートしたLafayetteの総本山である「Lafayette FUJISAWA HQ」。

Lafayetteの一号店目であり、原点ともいえるLafayette FUJISAWAが17周年を迎えた。

Lafayette FUJISAWAプロデュースによる、全ての始まりを表す新デザイン“LFHQ”を用いたアイテムは記憶に新しい。

 

 

 

17年の月日が経って店舗もスタッフも増えて、ブランドの規模も大きくなった。

現在では国内を飛び越えて全世界に多くのLafayettecrewが存在する。

2003年、藤沢にお店を構えた時には自分はもちろん誰も想像もしていなかったこと。

 

「Lafayettecrew」という大きな幹が一本だけあり、何本もの枝が生えていっているのではない。

色々な場所に「Lafayettecrew」という幹があり、強い枝が生えている状態。

 

Lafayetteのために少しでも尽力してくれたスタッフ/関係者/お客様、全ての関わった人達、

サポ―トしてくれている皆さんのお陰です。

 

17年の軌跡は語りつくせないほど。

全てが成功ではなく、失敗も数え切れない。

トライアンドエラーを繰り返して、ここまで来た。

今後も語りつくせないほどの試練が待っているであろう。

 

色々な経験をさせてくれるこの会社に感謝している。

今までのアパレル業界の在り方を変えていきたい。

 

 

A-TOY

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PRIVILEGE 2020 A/W Deli.1

28th Aug 2020 by

今週末、8/29[sat]に発売となる

PRIVILEGE 2020 Autumn/Winter Collection 1st Deliveryの情報がOFFICAL SITEに公開されました。

***

PA200101
GENTLEMANS CLUB S/S TEE
PRICE:5,500yen+tax
COLOR : WHITE(ホワイト),BLACK(ブラック),GOLD(ゴールド)

PA201401
GENTLEMANS CLUB CAP
PRICE:5,500yen+tax
COLOR : BLACK(ブラック),NAVY(ネイビー)

***

PRIVILEGEの実店舗 11:00より販売開始
※地域によって一部店舗の営業時間が変更しております。
Lafayette Online Store 12:00より販売開始

 

 

皆様のご来店をお待ちしております。

 

PRIVILEGE TOKYO
東京都渋谷区神宮前4-25-1 ライサ1F
tel:03-6804-6471
MAP

CLICK / STAR WARKS / PRIVILEGE NIIGATA
新潟県新潟市中央区春日町2-26
tel:025-247-8981
MAP

PRIVILEGE SENDAI
宮城県仙台市青葉区中央2-6-19 2F
tel:022-217-3407
MAP

PRIVILEGE NAGOYA
愛知県名古屋市中区大須3-44-51 EAST 1F
tel:052-252-7678
MAP

PRIVILEGE TAKASAKI
群馬県高崎市砂賀町97 五十嵐ビル 2F
tel:027-325-3315
MAP

PRIVILEGE NEW YORK
153 Essex St, New York, NY 10002
MAP

ONLINE STORE
www.lafayettecrew.jp

PRIVILEGE OFFICIAL SITE
www.privilege.co.jp

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Robinhood

28th Aug 2020 by

ロビンフッドと言ったら何を思い浮かべますか?

 

 

なんとなーく、こんな感じの童話だっけか?
弓の名手で、小さい頃に絵本で見たかもしれない。
映画とかにもなってたり…

そんなところですよね。

 

しかし!

今、ロビンフッドと言ったらこれなんです。

 

 

正直なところ、自分も3月のコロナ暴落時に知ったばかりですが、ロビンフッドとはアメリカで流行中の株取引アプリ。

売買手数料が無料、そしてユーザーフレンドリーなUIでアメリカの若者に浸透。

あっという間に口座数は1000万件を超えて、今も前年比30%以上で増え続けているとか。

前回の「歴史は繰り返すのか」でも触れいていた市場への新規参入者とはまさにこのこと。

もともとネット証券業界に再編の渦を巻き起こしていた中で、コロナによるパンデミックで家を出られない人々が次々にダウンロード。

ギャンブルや投機的なマネーの行く先も株式市場へ流れていく図式が完成。

そこへ日本以上に手厚かった給付金が人々へ流れたことで、さらにバブル化は加速。

実際に触ってないのでわかりませんが、おそらくゲーム的な感覚でやってしまう人もいて危うさもあり。

6月には、スマホに表示された金額を勘違いした20歳の若者が自ら命を絶ってしまう事件も発生。社会問題に発展。

 

 

とはいいつつ…

アメリカに住んでたら真っ先にダウンロードしてそう笑

ロビンフッドは日本では使えませんが、ネット証券再編の動きは日本でも活発に。

SBI、楽天に続き、LINE証券なんかは若者やミレニアム世代に直結で響きそう。

1900兆円の国内家計金融資産を投資へ動かそうと政府もずっと必死に策を打ってきましたが、

NISAとかは空振ってそうだし、ネット証券に期待ですね。

大きな預貯金とか高齢者と一部の富裕層しか持ってなさそうですが…

 
 

BEN

Keep It Real.

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LFYT 2020 A/W Deli.3

27th Aug 2020 by

今週末、8/29[sat]に発売となる

LFYT 2020 Autumn/Winter Collection 3rd Deliveryの情報がOFFICAL SITEに公開されました。

***

LA200701
BIG APPLE CREWNECK SWEATSHIRT
PRICE:12,000yen+tax
COLOR : BLACK(ブラック),HEATHER GRAY(ヘザーグレー),NAVY(ネイビー)

LA200108
WASHINGTON SQUARE ARCH TEE
PRICE:5,500yen+tax
COLOR : WHITE(ホワイト),BLACK(ブラック),DARK GREEN(ダークグリーン)

LA200109
MOBILES LOGO TEE
PRICE:5,500yen+tax
COLOR : WHITE(ホワイト),BLACK(ブラック),NAVY(ネイビー)

LA201401
MOBILES LOGO CAMP CAP
PRICE:5,500yen+tax
COLOR : WHITE(ホワイト),BLACK(ブラック),NAVY(ネイビー)

LA202101
LOGO SOCKS
PRICE:2,500yen+tax
COLOR : WHITE(ホワイト),BLACK(ブラック),BURGUNDY(バーガンディー)

***

LFYT 2020 Autumn/Winter Collection preview

LFYT AUTUMN / WINTER 2020 COLLECTION MOVIE

 

Lafayette / PRIVILEGEの実店舗 11:00より販売開始
※地域によって一部店舗の営業時間が変更しております。
Lafayette Online Store 12:00より販売開始

 

詳細はLafayette OFFICAL SITEをご覧ください。

 

Lafayette Yokohama
神奈川県横浜市西区南幸2-9-9 アネックス横浜110
tel:045-312-9577
MAP

Lafayette Fujisawa
神奈川県藤沢市鵠沼花沢町1-1 藤沢駅前ハイム2F
tel:0466-50-4205
MAP

PRIVILEGE TOKYO
東京都渋谷区神宮前4-25-1 ライサ1F
tel:03-6804-6471
MAP

CLICK / STAR WARKS / PRIVILEGE NIIGATA
新潟県新潟市中央区春日町2-26
tel:025-247-8981
MAP

PRIVILEGE SENDAI
宮城県仙台市青葉区中央2-6-19 2F
tel:022-217-3407
MAP

PRIVILEGE NAGOYA
愛知県名古屋市中区大須3-44-51 EAST 1F
tel:052-252-7678
MAP

PRIVILEGE TAKASAKI
群馬県高崎市砂賀町97 五十嵐ビル 2F
tel:027-325-3315
MAP

PRIVILEGE NEW YORK
153 Essex St, New York, NY 10002
MAP

 

ONLINE STORE
LFYT.JP
www.lafayettecrew.jp

PRIVILEGE OFFICIAL SITE
www.privilege.co.jp

 

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レジェンドによるレジェンドの紹介

27th Aug 2020 by

どうも、A-KILLAです。

コロナだからマスクしなきゃいけないし、近年稀に見る猛暑だから熱中症に気を付けなきゃいけないしで

なんだか慌ただしい昨今ですが

そんな中でも動き続けているのがホンモノの方々

HIPHOPを語る上で決して外せないアーティストの一人

NAS

そのNASが最近リリースしたアルバムが凄すぎる

KING’S DISEASE

diseaseて病気のことを指すんですが、普通の病気の場合はsickとかillとか

でもdiseaseはもっと重い病気や疾患、伝染病に使われる言葉でNASがこれをタイトルに持ってきた時点で既に社会的なメッセージ臭がプンプン

全体を通して黒人であることの美しさや特有の感情を表現しまくっている一枚になってます

そんでもって先行で発表されたこれがもうヤバいを通り越してバイヤー

最初から最後まで力強いメッセージの塊の音と映像

これぞまさに真のHIPHOPのあるべき姿なんじゃないかな

しかも個人的には、アルバムのプロデュースをほぼほぼ『HIT-BOY』が手掛けているところ

HIT-BOYといえば前にブログでも紹介したことありました

HIT-BOYはホントにたたき上げの天才

そんな彼と共に組んだNASの新作

そしてその中で一曲『27summer』という曲が収録されてるんですが

その中の歌詞で

“And Johnny Nunez got all the pictures”

という歌詞が登場します

皆さんも聞き覚えがある名前では??

そう、2020SSでもコラボした伝説のフォトグラファーのことを

NASが讃えているんです

彼がどれだけすごい人かはコチラを見れば一目瞭然

というか、NASの曲に出てくる時点で格の違いが分かるでしょう

こういったところも含めてHIPHOP全開なNASのアルバム

今の流行りのようにノリが強い、万人受けというわけではない内容かもしれません

でも、NASだからこそNASにしかできない表現方法すべてが詰め込まれた作品

歌詞も含めて是非一度ご視聴あれ

A-KILLA

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第十五話「スイスの商人マシュー」-前編-

26th Aug 2020 by

 

 

スイス、ロザン。

 

 

エヴァランチという地区の一軒家。

私が住んでいた家はこの地域の山の上にあり、

冬は冗談みたいな量の雪が降る。

朝は約1時間の雪かきから始まり、

夜は環境音すら聞こえない本当の無音の中眠りにつく。

住む前はスイスって言ったら、空気が綺麗。

これぐらいの印象しかなかったが、その想像の5倍は美味かった。

よくここに住むと鼻炎が治るとか聞いたことがあるが、

満更あり得ない話でもない気がする。

 

毎朝雪かきの後に、山の上から街を眺めるのが日課だった。

空き家なのか別荘なのか、

5件ほど先にある誰も住んでいない豪邸の庭に無断で入り、

毎朝わざわざコーヒーを持ってのんびり一服をする。

庭からインフィニティープールのように見えるロザンの街は、

日本では見たこともない透明な空に繊細で上品な薄い雲が街を覆っていて、

今まで自分が見てきた空がさらに濁って見えた。

 

さすがアルプスの少女の街だけはある。

 

もちろんいい面だけではない。

まず交通面はめちゃくちゃ不便で、

日本人、いや移民にとって住みやすいとは言えない場所だと思う。

駅までの唯一の交通手段は1時間に2本しかないバスしかなく、

最寄りの商店までは歩いて40分かかるし、

駅の目の前の看板には、”移民は出て行け!”とうい看板がデカデカと掲げられている。

この地域には限ったことではないが、スイスはバキバキの白人至上主義だ。

人種差別はある意味当たり前にあるものに感いていたぐらいで、

日常過ぎてあまり気にならないという面もあった。

 

そんなこの街にも住み慣れ、いつの間にか1ヶ月ぐらいが経っていた。

私の目的のない旅では都会に行けば田舎を求めるし、

田舎にけば都会に行きたくなる。

この繰り返しの中で、そろそろ自然に囲まれた生活にも刺激がなくなってきていた。

毎日写真しか撮っていなかったし、自然を撮るのもそろそろ飽きていた。

これは歳をとってから撮るべきかも。とも日に日に思っていた。

 

金もそろそろ尽きそうで、

次の移動のために仕事を探すかとも考えたが、

机の上に積まれた少しずつ現像した写真の束を見て不意に思い立った。

 

まずこれを売ろう。

 

今まで自分の写真に値段をつけたこともなく、

一体自分の写真にいくらの価値がつくのだろうという興味もあった。

次の日の朝、早速写真の束を鞄に入れロザンの中央駅に向かった。

写真を売るなんて考えたこともなく、全部L版の小さい写真。

ギャラリーに持っていっても相手にれないだろう。

頭の中は一番人通りの多い駅前で売ってみよう。

それしか選択肢はなく、むしろ最善の方法だと思っていた。

無名の自分の手刷りの写真がどれだけ売れるのか。

全く売れなかったら…落ちるなぁ。

ワクワクする気持ちと不安な気持ちが入り混じっていた。

 

駅に着き、まず売る場所を探した。

さすが中央駅。

住んでいるエヴァランチとは比にならないほどの人がいた。

駅前の適当な場所にシートを敷き、

写真を入れたファイル3冊と、

”name your price [ 値段はあなたが決めてください]と書いた紙を置き、

客が足を止めるのを待つことにした。

 

 

 

 

どれだけ経っても誰一人足を止めない。

売れる売れないの前に、見ても貰えない。

それから何時間経っても、結果は変わらなかった。

初日の結果は接客人数0。

シートを片付け、泣く泣く家に帰った。

それからの2、3日、場所を変えては同じ方法を繰り返し、

同じ結果を繰り返す。

 

さすがに何か変えなきゃいけない。

帰ってから一人反省会が始まった。

自分で物を売る事自体が初めてだった私は、

その時初めて商売というトピックについて考えた。

 

売れる売れないの前にまず見てもらわないといけない。

 

人通りが多い場所はあくまで見てもらえるチャンスが多いだけで、

逆にその他の店も多いし、目に入る情報量も多い分、

目立たないと足を止めてもらえないのかもしれない。

 

じゃあどうやって目立つか。

 

今日はただシートを敷いて、写真を並べただけ。

 

看板でも出すか。

 

声を出して客引きをするか…

 

散々一晩考えた結果、

まず駅前で一番人が足を止める露店を見つけて、

その露店の机のスペースを間借りする作戦でいくことにした。

商売もしたことがないし、自分は商売人じゃなくて写真家だ。

どうやったら客を集められるかは考えても一晩で答えが出るわけもない。

そこは金をベットしてでも乗っかって、写真自体を見てもらう方が優先的に思えた。

ファイル3冊を置くスペースのレンタル代ぐらいなら何とかなるはずだ。

 

次の日、朝一で同じ中央駅に向かい露店を片っ端から観察した。

絵を売ってる露店、お土産屋、クラフトジュエリーの露店、

色々種は違うもののかたまって露店があると活気が見えて、

心理的なものなのか足を止めている人も多かった。

早速絵を売っていた白人の中年男に話をかけてみた。

 

「こんにちわ。僕写真を撮っていて、よかったらここで写真を一緒に売らせて欲しいんです。もちろん賃料は払います。」

 

「…」

 

全く言葉が通じていなかった。

ロザンはジュネーブやチューリッヒみたいな都市と違い、

英語を話す人はかなり少ない。

スイスはドイツ語、フランス語、イタリア語の3カ国後が主流で、

地域によって使われる言葉が違う。

ロザンはフランス語がファーストランゲージ。

若者でさえも英語はあまり話さない。

言葉の壁にぶつかり、その辺りの目をつけた露店は全滅だった。

 

気を取り直し、活気のある露店を探す。

駅前の隣にある大きな公園の入り口にテントを貼った露店が一つあった。

しばらく遠くから観察してみることにした。

30分ぐらい見ていると意外と人が足を止める。

近づいてみると背の低い髭伸びっぱなしの白人のおじーちゃんが絵を売っていた。

そんな仙人みたいなおじーちゃんはすぐに話しかけてきた。

 

「お!観光客?これは私が書いてる絵なんだ。全部20ユーロ。」

 

まず英語が話せることが驚きだった。

 

「いや客じゃないんだ。最近住み始めたんだけど、写真を撮っていて今売る場所を探しているんだ。」

 

「写真家か?!見せてみろ!」

 

言われるがままに男に写真のファイルを見せた。

 

「お前の写真いいな。俺は好きだ。一枚いくらで売ってるんだ?」

 

「いや値段はつけていない。客につけてもらおうと思ってる。」

 

「それじゃここでは売れないな。ここはギャラリーじゃないんだぞ。値段をつけた方がいい。」

 

「値段の付け方がわからないんだ。売ったことがないから。買ってくれるならいくらでもいい。」

 

「お前物を売るのにいくらでもいいって、売る気あるのか?じゃあ試しに一枚10ユーロで売ってみろ。」

 

「わかった。ここで売っていいの?」

 

「いいぞ、お前の写真俺は好きだからな。」

 

「マジで?!ありがとう!俺はKIKI。よろしく!」

 

「マシューだ。よろしくな。」

 

 

これが私の写真家としての人生を変えた大きな出会いになった。

 

 

ここからマシューは1週間で私の写真を300枚売る。

 

 

 

-前編- 完

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LFYT × ALLY&DIA × JESSE “GOD SPEED” Tee

23rd Aug 2020 by

明日、8/24[mon]に予約開始となる

LFYT × ALLY&DIA × JESSE “GOD SPEED” Teeの情報がOFFICAL SITEに公開されました。

 

 

LE200110
LFYT × ALLY&DIA × JESSE “GOD SPEED” Tee
PRICE:6,500yen+tax
SIZE:S,M,L,XL,2XL
COLOR:WHITE,BLACK

 

8月24日(月)12:00~8月30日(日)12:00

>>Lafayette ONLINE STORE<<
https://www.lafayettecrew.jp/shopbrand/lfyt_allydia_jesse/

>>LFYT ONLINE STORE<<
https://lfyt.jp/collections/lfyt-allydia-jesse

 

受注生産となりますので、この機会をお見逃しなく!

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FUJISAWA CITY LOVEプロジェクト×つるの剛士とシーキャンドルズ

23rd Aug 2020 by

念願の我が街の「ふじさわ観光親善大使」とのコラボ。

 

つるの剛士さんがFUJISAWA CITYを以前からご愛用されているのはSNSで知っていて、

2年くらい前、地元のフェスでライブ後にお声掛けさせてもらったのが初対面。

うちの子はチャギントン見てたので「お兄さんだ!!」と大興奮でした。

お会いした時にギターケースにLafayetteのステッカーを張って頂いていて、自分はそこに興奮。

 

あれから時は経ち、つるのさん側からご連絡いただき今回の企画が実現。

藤沢在住で「ふじさわ観光親善大使」8年目を迎えるつるの剛士さん。

藤沢発祥のLafayetteが展開する「FUJISAWA CITY LOVEプロジェクト」。

お互い「ふじさわ」という街をリスペクトする故の待望のセッション。

つるの剛士さんのアイデアもお聞きして『藤沢愛』が溢れるアイテムになりました。

 

つるの剛士さんのバンド「つるの剛士とシーキャンドルズ」とFUJISAWA CITY LOVEプロジェクトのコラボ企画。

model by つるの剛士 @takeshi__tsuruno

photo by SOHEI TAKAHASHI @miles_beach

 

 

 

FUJISAWA CITY LOVEプロジェクト×つるの剛士とシーキャンドルズ コラボTシャツ
価格:3,300円(税込)
カラー:ホワイト、ブラック
サイズ:S、M、L、XL、XXL

 

FUJISAWA CITY LOVEプロジェクト×つるの剛士とシーキャンドルズ コラボパーカー
価格:6,600円(税込)
カラー:ブラック
サイズ:S、M、L、XL、XXL

 

つるのさんファンクラブサイト「つるのもばいる」の会員の皆様に向けて特別に受注販売になります。

受注は8月25日(火)18時までの期間限定で、「つるのもばいる」にてご注文をお受けしているので気になった方は是非。

http://www.tsurunoweb.com/news/

つるのさん、企画段階から色々とありがとうございました!

 

 

A-TOY

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LFYT 2020 A/W Deli.2

20th Aug 2020 by

今週末、8/22[sat]に発売となる

LFYT 2020 Autumn/Winter Collection 2nd Deliveryの情報がOFFICAL SITEに公開されました。

***

LA201101
5 POCKET DENIM PANTS BAGGIE FIT
PRICE:16,000yen+tax
COLOR : INDIGO(インディゴ)

LA201102
5 POCKET SELVAGE DENIM PANTS STANDARD FIT
PRICE:18,000yen+tax
COLOR : INDIGO(インディゴ)

LA201103
5 POCKET SELVAGE STRETCH DENIM PANTS SLIM FIT
PRICE:18,000yen+tax
COLOR : INDIGO(インディゴ)

LA201202
STRETCH JOGGER PANTS
PRICE:13,000yen+tax
COLOR : BLACK(ブラック),NAVY(ネイビー),OLIVE(オリーブ)

LA200103
LFYT x Rabuns – THROW UP LS TEE
PRICE:6,500yen+tax
COLOR : WHITE(ホワイト),BLACK(ブラック),BURGUNDY(バーガンディー),PINK(ピンク)

LA200104
LFYT x Rabuns – CHEERS TEE
PRICE:6,500yen+tax
COLOR : WHITE(ホワイト),BLACK(ブラック),LIGHT BLUE(ライトブルー),BEIGE(ベージュ)

LA201801
LFYT x Rabuns – CHEERS RUBBER KEYCHAIN
PRICE:1,200yen+tax
COLOR : BLUE(ブルー)

***

LFYT 2020 Autumn/Winter Collection preview

LFYT AUTUMN / WINTER 2020 COLLECTION MOVIE

 

Lafayette / PRIVILEGEの実店舗 11:00より販売開始
※地域によって一部店舗の営業時間が変更しております。
Lafayette Online Store 12:00より販売開始

 

詳細はLafayette OFFICAL SITEをご覧ください。

 

Lafayette Yokohama
神奈川県横浜市西区南幸2-9-9 アネックス横浜110
tel:045-312-9577
MAP

Lafayette Fujisawa
神奈川県藤沢市鵠沼花沢町1-1 藤沢駅前ハイム2F
tel:0466-50-4205
MAP

PRIVILEGE TOKYO
東京都渋谷区神宮前4-25-1 ライサ1F
tel:03-6804-6471
MAP

CLICK / STAR WARKS / PRIVILEGE NIIGATA
新潟県新潟市中央区春日町2-26
tel:025-247-8981
MAP

PRIVILEGE SENDAI
宮城県仙台市青葉区中央2-6-19 2F
tel:022-217-3407
MAP

PRIVILEGE NAGOYA
愛知県名古屋市中区大須3-44-51 EAST 1F
tel:052-252-7678
MAP

PRIVILEGE TAKASAKI
群馬県高崎市砂賀町97 五十嵐ビル 2F
tel:027-325-3315
MAP

PRIVILEGE NEW YORK
153 Essex St, New York, NY 10002
MAP

 

ONLINE STORE
LFYT.JP
www.lafayettecrew.jp

PRIVILEGE OFFICIAL SITE
www.privilege.co.jp

 

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第十四話「キングストンのギャングスターのび太」-後編-

19th Aug 2020 by

 

 

 

目の奥で合う目と目。

 

掴み取られた視線と極度の恐怖にパニックを超えて凍りついていた。

車内の沈黙は永遠かと思うどに長くて、

出てくる言葉も無いというか、

頭の中が真っ白とはまさにこの事だ。

密室の緊迫した空気感。

のび太の低いが芯のある声が沈黙をビリビリとゆっくり破った。

 

「どうするんだ?俺は本気だぞ。金出さなきゃお前をここで殺す。」

 

物事はなかなか映画のように上手くはいかないものだが、

一瞬一瞬を切り取れば映画のワンシーンのような状況は度々あるものだ。

この売れないギャングスター映画のワンシーンのような状況は、

当人になった時、人生最悪の状況だった。

どうするかなんて全く考えもなかったが、

とにかく死だけは回避しないといけない。

のび太にヒートアップされるのが一番まずい。

そう思った。

 

「ホテルに帰ろう。ホテルに金あるから、、」

 

勝手に出てきた言葉だった。

のび太は何も言わずにすぐに車を走らせホテルへ向かった。

車内にはエンジン音とタイヤが地面を蹴る音だけが響き、

窓の外からは至るところからレゲエが爆音で流れていた。

 

生まれて初めてのジャマイカ。

 

黒人怖すぎ。

 

マジ来なきゃ良かった。

 

今からどこかに連れて行かれて殺されるのか。

ネガティブな想像力だけが真面目に働く。

マイアミといい、ジャマイカといい、本当に最悪だ。

何もしていないのに痛い目にばかり会う。

やっぱり弱いものは食われるのか。。

出発してから今までずっとダサい自分に気が滅入っていった。

ビビって積極的に言葉も話さず、

金を出せといわれたら金を出す。

 

一体何しに来たんだ。

 

 

 

 

ホテルに着き、部屋まで金を取ってくるとのび太に伝えた。

駐車場からプールサイドを通って部屋まで向かうまでの間、

解放されたからなのかなぜか急に気持ちが落ち着いてきた。

心地良いジャマイカの夜の気候に少し気持ちが柔らかくなり、

そして妙な反骨精神が芽生え始めた。

 

このままバックれよう。

 

24時間セキュリティーがいるからホテルには入れないし部屋も知らない。

朝になるまで駐車場にいたら怪しまれるだろうし、

あいつだって家に帰りたいはずだった。

そんな安易な考えからのび太をこのままシカトしてバックれることにした。

 

私は部屋に戻り鍵を二重で鍵をかけベッドにダイブ。

だが全く落ち着かない。

部屋に戻り15分ぐらい経った頃。

そろそろのび太が異変に気づく頃だろうか。

ドアを開けて外の音を聞くのも怖かった。

それに時計の秒針の音がずっと気になる。

まるで走る時限爆弾の導線を見ているかのような感覚だった。

電気を消してiPodで爆音で音楽を聴いてみたり、

いつもより長めにシャワーに入ってみたり。

 

それでも全く眠れなかった。

 

それから何の異変もないまま時間は過ぎていき朝日が出てきた。

まだのび太はいるのか。

気になって仕方がなかったが、

確認する勇気もなくただひたすらに時間が過ぎていくのを待った。

そして気が付いた時にはベッドで眠っていた。

 

目が覚めたのはもう昼過ぎ。

灼熱のジャマイカの真昼間。

さすがにもういないだろうと思い、

恐る恐る部屋を出てプールサイドに向かい駐車場を覗いた。

 

そこにはのび太の車があった。

 

胸が急にドキドキし始めて思わず日本語で独り言を口にしてしまう。

 

「嘘だろ。まだいんの?」

 

慌てて部屋に戻った。

弾むように胸の鼓動は大きく早く波を打ち、

ただただ部屋を右往左往歩き回っていた。

 

どうしよう。

 

もう一回確認しに行ってのび太に見つかったらまずい。

とにかく今日は部屋にステイだ。

もうこの時には完全に後悔しかなく、

昨日バックれようとした自分を責め始めた。

何で昨日大人しく200ドル払っておかなかったんだ。

こうなる可能性なんて大いにあったのに。

大体のことは逃げれば逃げるほど状況は悪化するものだ。

バックれた結果、恐怖感は倍以上のものになっていた。

同時に昨日の自分を責めることで保とうとした心のバランスは、

整うわけもなく言い訳だけが胸に積もっていった。

 

自分が撒いた種から恐怖で部屋から出られなくなってしまった。

プールサイドやロビーにすらいけない。

もうこの時の恐怖感は当初の何倍にも膨れ上がり、

次あったら間違いなく刺されると思っていた。

 

もう部屋から出られない。

どうやって飯を食おう。。

 

空腹さえ凌げれば部屋から出る必要はない。

すぐに今持っている食料を確認した。

日本から持ってきていた非常食のクラッカーが3箱と、

飛行機でもらった小袋のスナック菓子が1袋、

それと昨日運よく買いだめしておいた2リットルの水が4本。

 

多分いけて1週間。

 

今考えれば2、3日後にはもういないだろうと思えるが、

この時はもうパニックのど真ん中。

自己防衛本能なのか、起こり得る事態の最低ラインを見越して行動していた。

マイアミでの奇襲はあっという間の出来事過ぎて考える時間さえなかった。

だがこの時の生殺しの時間は一番辛い時間だったかもしれない。

いつ殺されるかわからない。

それぐらいその時の状況を拡大的に解釈していたから。

 

そしてその日は一日中部屋に閉じこもり次の日の朝まで一歩も外に出なかった。

頼むから明日はもういなくなっていてくれ。

 

そして翌朝、半分の期待を片手にもう一度確認しにいくことにした。

プールサイドからの死角を探して、駐車場を覗き込む。

 

まだあった。

 

しかも駐車場所が変わっている。

確実に通っている。。

もう見つけるまで追い込む気だ。

 

ここから本格的な隔離生活が始まった。

こうなったら逃げ切るしかない。

もう我慢対決だった。

何を言っているのか全くわからないが気晴らしにテレビをつけ、

ベッドの上で細かく砕いたクラッカーを少しずつ食べる。

多分iPodに入っていた1000曲ぐらいの曲はほぼ全曲聴いたんじゃないだろうか。

完全隔離の毎日同じルーティーンの生活。

もちろん毎朝駐車場に確認しにいく。

 

毎日のび太はいる。

 

そしてそんな日々はそれから5日間続いた。

クラッカーと水だけの生活もそろそろ限界だった。

こけていくのが自分でもわかるくらい軽く衰弱していた。

 

でも毎日いるのび太。

 

あのナイフを持って直視してきた目がフラッシュバックする。

もうそろそろ限界だった。

クーラーのきいたカーテンのしまったホテルの一室。

時々窓を開けて入ってくる空気だけがジャマイカだった。

 

ホテルに来てから6日目の夜。

水が底をつき、ついに買いに行かなくてはいけなくなった。

5日ぶりの夜の外出。

緊張しながらロビーの隣のバーに水を調達しにいく事にした。

 

のび太がいませんように。

 

バーに行くと驚くべき光景が目の前にあった。

なんと日本人女性が4人ソファーに座っていた。

20代前半くらいだろうか。

自分よりは年上に見えた。

自分のテンションとは真逆のハイテンションな彼女達。

なんと言っても久しぶりの日本語が心地よかった。

でもとりあえず水だ。

この間のバーテンにまた水を4本頼んだ。

前回同様20ドル払い、水を袋に入れてもらっていた時、

突然一人の女性が英語でそのバーテンに怒り始めた。

さっき見た日本人女性の一人だった。

 

「あなた今この子から20ドル取ったでしょ?それ一本2ドルじゃない。この子にお金返しなさいよ!」

バーテンは彼女を宥めるように金を返し、彼女は私にそれを渡した。

 

「君日本人だよね?一人?ていうか具合悪いの?」

 

よっぽどやつれていたのだろう。

彼女は心配した面持ちで私に話しかけてきた。

 

「日本人です。体調は悪くないんですが腹はめちゃくちゃ減ってます。。てかありがとうございました。前も一本5ドルで買ってました。」

 

「英語話せないからってぼったくってるの見るとムカつくんだよね。一人でしょ?一緒に飲もうよ。食べ物もあるから。」

 

彼女の名前はミキちゃん。

カナダに住んでいて、日本の友達と旅行で来ていたらしい。

英語ベラベラで気の強いショートカットの女性だった。

他のなっちゃんも、桃ちゃんも、えりちゃんも皆いい人で、

久々の日本人との会話は安堵感が半端じゃなかった。

会話の流れで出発から今に至るまでの経緯を、

マイアミの事ものび太のことも皆に全て話した。

するとミキちゃんが急に立ち上がりさっきのバーテンに話しかけ始めた。

そして戻ってくるなり衝撃的なことを伝えられる。

 

「そののび太ってドライバーここ専属のドライバーだから毎日いるらしいよ。だから絶対純ちゃんここにステイしてる限りいつか会うよ。しかもギャングメンバーらしいw私ついて行ってあげるから話した方がいいと思う。男なんだから逃げるな。」

 

ミキちゃんの言葉は大分刺さった。

しかもめちゃくちゃかっこよく見えた。

今思えば彼女が英語を話せるようになりたいと心底思ったきっかけかもしれない。

言葉が話せれば世界が変わる気さえした。

目的も無くなんとなく勉強してきた英語なんてまるで役に立たなかった。

言葉に限らず目的が見えて初めて頑張れるのかもしれない。

 

ミキちゃんとバーを出て、駐車場に向かった。

セキュリティーと立ち話をしているのび太。

私を見つけるなりすごい剣幕で私を見ている。

ミキちゃんは堂々とした態度でのび太に話かけ、

何を言っていたのか理解できなかったけど、

3分ぐらいであっという間にかたがついた。

途中のび太はキレてたけど、

ミキちゃんの切れ返しにあえなく納得しているような面持ちだった。

 

「純ちゃんこいつに30ドルだけ払って。クラブまでの往復のタクシー代。それでもうこのは話は終わり。これ以上何かしてきたら恐喝したこと警察に言うって言ったから多分大丈夫。ほら話してよかったでしょ。伝えないから舐められるんだよ。ノーはノーって言わなきゃダメ。」

 

もう自分がダサ過ぎてゲボ吐きそうなくらいだった。

そしてまた謎に涙が溢れてきてしまった。

出発から今までの何もかもが悔しくて泣いてばかりだ。

泣いてる私をみてミキちゃんは笑っていた。

スーパー頼りになるおねーちゃんでしかなかった。

 

「今日皆でクラブ行こうよ!」

 

バーに戻るなりなっちゃんが誘ってきた。

ジャマイカについて約1週間。

初日の夜を除いてはホテルから一歩も出ていない私は、

少しナーバスな気持ちもあったが、

誘いを受けることにした。

皆一度部屋に戻り着替えてバーに集合した。

 

ミキちゃんを先頭に駐車場に向かいタクシーを探す。

2人のドライバーが待機しているのが見えた。

 

もちろんそのうちの1人は….

 

「エリックーーー!」

 

ミキちゃんは待機場に手をふり駆け寄って行った。

何か軽く話をしてニヤニヤ戻ってきたミキちゃん。

 

笑いながら私に聞いてきた。

 

 

「今日のドライバー、エリックとのび太どっちにする?純ちゃんが選びな。」

 

 

 

旅は人を強くする。

 

 

 

 

 

 

 

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