slowthai – nhs by JUNPEI
25th Nov 2020 by JUNPEI
なんだか今、本当に「今」。
これだなぁって曲を、たまたま発表されて1時間以内ぐらいに聴いて、と言うより見て。
すっと入って、何度もループして聴く感じ。
まさに” Right here, right now “なところで、ああこれだなって言うところ。
それはこの曲でした。
slowthaiの来年リリース予定のアルバム「TYRON」からの2曲目。
曲の本意は説明不要で伝わると思いますが、タイトルのNHSとはイギリスの国民健康保険サービスNational Health Serviceを意味し、そのアンセム的な曲。
ヒエラルキーへのアンチテーゼ、平等や希望の訴え、slowthaiの人間性と二面性がファーストリードのfeel awayに続き発揮されています。
slowthaiの人格から繰り出されるエネルギーには、UKという国を色濃く感じ、個人的にはHIP HOPと言うより現代のPUNK ROCKでもあるなと思います。
それは「ありのまま」である事を肯定してくれる力でもあるかも知れません。
と同時にそうありたいと渇望するも、それを自ら捨てるジレンマ。
子供と大人・肯定と否定・渇望と拒絶・希望と絶望。
相反するものでありながら、同じ原点を持つ。
そう言ったカオスをありのまま体現している、新しくも旧い、焼けつくほど熱く凍てつくように冷たい。
人間のサガとでもいう剥き出しのヒリつく感覚に「生」を強烈に感じるアーティスト、それがslowthaiの魅力。
というより魔力かなと思っています。
顔で笑って心で泣く。
そんな感情を抱いたものには、感じるものがあるんじゃないでしょうか。
インターネット・SNS・ビッグテック。
現代社会の表と裏を切り取る。それがアートであり、HIP HOPじゃないかなと。
slowthai – nhs。良い曲に出会えました。
Junpei